みなさんはむし歯と歯周病には違いがあることをご存知でしょうか?
当院では治療に入る前にまずこの違いをご説明するようにしています。
むし歯はみなさんもよく知っているように歯が欠けてしまったり穴があいてしまったりするものです。
当院だと例えば「小さいむし歯がありますので少し削って歯の色に似たプラスチックをつめて形を整えましょう」などと歯科医師がお話ししますが、これはむし歯の治療です。
では歯周病とはなんなのでしょうか?
歯周病は歯ではなく、歯を支えている骨が溶けてしまう病気のことを言います。
歯周病の場合は削って直すような治療ではなく、歯の掃除をしたり、歯と歯茎の隙間に入り込んでいる汚れをきれいにして取り除く処置を行っていきます。
わかりやすく例えると、歯は家、それを支える骨は家を支える土台(基礎)だと想像してみてください。
例えば泥棒が入ってきたりして家の小窓が壊されてしまったとしましょう。
これが歯でいうとむし歯。歯が溶かされてしまって穴が空いている状態です。
家の小窓を修理するようにむし歯もある程度までは修復することができます。
しかし、とても強い台風がやってきたとします。
家の窓という窓が全て壊れてしまいました。こうなると修理するのはとても大変・・・。
むし歯も小さな段階では治療は比較的短時間で済む場合がほとんどですが、大きなむし歯になると治療を終えるまでに1〜2ヶ月かかる場合もあります。
しかし、むし歯であれば直すことができる場合が多いのです(もちろん例外もあります)。
ただし、家を支える土台の部分が崩れてしまったらどうでしょうか?
例えば欠陥住宅で、基礎工事がめちゃくちゃだったりしたら、いくら家の部分がきれいだったとしても崩れてしまうはず。
歯周病はまさにそれ、というわけ。
いくらむし歯がなかったとしても、歯を支える骨が溶けてなくなってしまったら、当然歯は抜けてしまいます。
日本人が歯を失う原因で多いのはむし歯よりも歯周病だといわれています。
つまり、歯磨きで予防すべきはむし歯だけではないということ。
歯周病予防はあなたの歯を守る上で欠かせないのです。