治療と歯のお掃除(定期健診など)を両方受けていただたことがある方にはわかりやすいかもしれませんが、歯のお掃除は治療と比べると時間がかかることが多い(もちろん治療の内容にもよりますが・・・)と感じられるかもしれません。
当院ではおよそ30分~1時間程度を予定しており、平均すると45分前後になります。内科などは診療時間が5~10分程度ということもあるかと思いますが、歯科ではその倍では足りないほどの時間がかかるということになります。
それはなぜだと思いますか?
もちろん、やっていることが違うからなのですが、歯のお掃除は検査・歯磨き指導・歯の掃除・虫歯や歯周病のチェックなどを1度に行っているためにある程度の時間が必要です。お口の中の変化は風邪などのようにわかりやすい症状として現れないことも多くあり、さらにはお口の中はご自分では見えないところで、毎日少しずつ変化しています。
例えば歯と歯茎の隙間(歯周ポケットと言われる部分)は、3ミリ以内は正常とされ、4ミリ以上からは歯周病と判断され、状況に応じた処置が必要となることもあります。実は、以前は3ミリ以内で健康とされていたものが急に変化することは意外とよくあることだったりするのです。その違いはミリ単位なわけですから、パッと見てわかるものではなく、検査してみないとわかりません。
忙しい年末年始は歯磨きなどをさぼりがちだったり、おいしいものをだらだらと食べ続けることが多かったり・・・そんな日々が続くとあっという間に磨き残しが増えてしまうということも。1月、2月は寒い日が続いていますから、急に冷たい水がしみるようになった、というトラブルが出てくることもありますよね。
1日、2日で激変するということはあまりありませんが、虫歯や歯周病などのトラブルは生活習慣と関係している部分も多く、習慣が変わらなければ状況は悪化していくことが多いと考えられます。
歯のお掃除のときには、お口の状況を確認するのはもちろん、皆さんとのお話の中で歯磨き習慣や生活習慣のことも確認していきます。話してないで早くやればいいのに、と思われるかもしれませんが、歯のお掃除中のお話も大切なポイントだったりします。
また、前回からのデータと照らし合わせて変化したこと・よくなったこと・悪くなったことなどもお話ししながら、10年後・20年後もご自身の歯を失わないためにはどうしたらいいのかを一緒に考えていきます。
ちょっと長いな・・・と思われるかもしれませんが、歯の寿命は人間の寿命よりも短いとされている今、最後のときまでご自身の歯でおいしく楽しく食事をとるためには必要な時間なのではないでしょうか。
定期健診に通っている人とそうでない人とでは、歯を失う確率がまさに桁違い!だったりするのです。
以前もお話ししましたが、歯を失ったり、大掛かりな治療が必要になるとこれ以上の時間とお金を失います。あなたの大切な時間・お金、なによりも健康を守るために、定期的に歯科医院に使う1時間を確保していただきたいと思います。